「“三者”協議から “四者”協議に」求める声

会議担当者:「冒頭撮影、どうぞお入りください」

2023年1月28日、福岡市で行われた『カネミ油症の三者協議』です。
加害企業のカネミ倉庫・被害者・国が顔を揃え、年2回、救済について話し合っています。

この協議に事件の発生に深く関わった “もうひとつの企業” を加え『四者協議』とするよう求める声が上がっています。

1968年に発覚したカネミ油症事件。
北九州市の中小企業 カネミ倉庫が作った油を食べた人に ひどい吹き出物や吐き気、内臓疾患など全身に及ぶ症状が現れました。

油に混入していたのは『カネクロール』という名前で販売されていた人工の化学物質『PCB』です。

熱にも、酸にも強く、電気を通さないPCBは工業用のオイルに適していて 繊維、アスファルト、段ボール、ゴム、冷暖房などあらゆるものに『夢の化合物』と呼ばれて使われていました。

カネミ倉庫も、米ぬか油の製造過程で、油を温める『熱媒体』としてPCBを使っていた “一利用者”でした。

事件を受けて初めて“毒性”が広く知られるようになり、事件発覚から5年後の1973年『化学物質審査規制法』でPCBは製造・輸入・使用禁止となりました。

車を運転する 元高砂市議会議員 井奥 まさきさん:
「それじゃあまず丘から行きましょうか。“PCBの丘” 」
(記者)PCBの丘って言うんですね?凄い名前。

井奥 まさきさん:
「僕らはそんな言ってますけどね。実際、皆さん来られたらびっくりするけど、ほんまに丘なんですよ」