島根県西ノ島町で町の予算の一部が長年不正にプールされ、町の全ての課がこの裏金作りに関わっていたことが分かりました。

この問題は、官製談合と詐欺などの罪に問われた町の元課長の男の裁判で今年2月に明らかになりました。

国や県の補助金の一部を返還せず地元の文具店にプールさせる「預け金」と呼ばれる手法で、元課長はこの中から一部を私的に流用していたとされています。

問題発覚後に町が特別調査チームを設けて調ベていて、坂栄一秀町長が、28日、記者会見してその内容を明らかにしました。

それによりますと、3月20日時点で「預け金」の残額が14万9872円あったことや、請求書の内容と異なる納品として646万5037円の「差替え」があったことが確認されました。

また、補助目的と異なる用途に支出したおそれのあるもの、会計年度を誤って支出したおそれのあるものが、3260万6404円あることが明らかになりました。

9つある町の全ての課で「預け金」が過去、または現在も慣行化していて、補助金などの余りを返還する手続きの煩雑さを回避するためなどとして、担当者間で引き継がれていたものもあったということです。

町では預け金の総額は調査中だとしていて、5月末にも最終報告をまとめるとしています。

坂栄一秀町長は「深くお詫び申し上げます。長年にわたり職員の公金に対する認識が希薄であったことによるもの。再発防止策に着実に取り組んでまいりたい。」とコメントしています。

また、島根県の丸山知事は、「補助金などで不適切な事案があれば返還なども含めて必要な対応を行う」とコメントしています。