支援学校で働き38年、あの日卒業式の準備をしていた
迷子とわかったため、表さんは警察に通報しました。のちにわかったことですが、警察によりますと、男の子は6歳で、父親が車で外出する際に、走って追いかけたものの道がわからなくなり、40分ほど雨の中をさまよっていたといいます。



帰宅した母親が、男の子が自宅からいなくなっているのに気がつき、警察に相談していたところでした。もし保護するのが遅れていたら…。
表さんは支援学校で、寄宿舎生活を送る障害がある子どもたちのサポートをする仕事をしています。

支援学校の案内によると、寄宿舎では「集団生活を通して、一人一人に応じた生活の自立を目指し、社会生活に必要な生活能力と健康な心身の育成を図ります」としています。

“あの日”表さんは、翌日に控えた卒業式の準備をしていました。
高岡支援学校職員 表千春さん:
「あすは子どもたちとお別れということで、『卒業していく子どもたち成長したな』とか思いながら帰宅していて」


支援学校で働いて38年。
支援学校で、子供たちは小中高をともに過ごすため、入学から卒業まで12年間、いっしょに過ごすことになります。迷子になった男の子と同い年の6歳の子供たちが入学し、小中高を通して成長して卒業…自立していくまでを、表さんは見守り続けてきました。

今月24日、富山県警氷見警察署から表さんに感謝状が贈られました。表さんの頭に浮かんだのは、あの無事保護された男の子のことでした。
高岡支援学校職員 表千春さん:
「(保護した子が)6歳だって聞いたのでたぶん来年度小学校にあがるのかな、事故もなく無事小学校にあがることができることになりよかった」


表さんの、とっさの判断が男の子の命を守りました。
