3月13日の夕暮れ時、富山県氷見市で、支援学校で働く58歳の女性が、雨の中傘も差さずに、ずぶぬれの状態で泣きながら歩く男の子をみつけました。当時の気温は5.6度、凍える男の子に対して、女性がとった、とっさの判断とは?

知的障害のある子どもたちが通う富山県高岡市の高岡支援学校で働く、表千春(おもて・ちはる)さん、58歳。今月13日、仕事を終えて、雨の中、氷見市の自宅に車で帰宅しようとしていました。

高岡支援学校職員 表千春さん:
「子どもが歩いているなと見えてきたのでどうしたのかなと思ったら、雨に傘も指さずに濡れて泣いて歩いている男の子だった」


午後5時半すぎ、あたりが暗くなり始めていたとき、傘も差さずに、ずぶぬれの状態で男の子が泣きながら歩いていていたのです。
表さんは違和感を覚えながらもいったん通り過ぎますが、このときふと、普段、支援学校の校長先生が話している“ある言葉”が頭に浮かびます。

高岡支援学校職員 表千春さん:
「校長からは児童生徒の命を守ることが大切だということを常々言われており、私は学校で子どもたちが安心安全に生活できるように学校での生活が送れるように心がけて仕事をしております」


支援学校では、表さんたち職員が、特に子供たちの安全に気を使っているといいます。表さんは、とっさの判断で道を引き返し、泣いていた子どもに追いつきます。

高岡支援学校職員 表千春さん:
「泣いていたのでティッシュで拭いたりとか鼻も出ると言われたから鼻もかんだり、手も冷たいって言われたので手もさすって『大丈夫だよ』って安心するような言葉をかけて…」


地元の気象台によりますと、当時の気温は5.6度。雨にぬれ男の子は凍えていました。「おうちはどこなの?」と聞くと、遠くを指差したといいます。

高岡支援学校職員 表千春さん:
「お父さんを追いかけてわかなくなったということで、名前は言えるんですけどおうちの電話番号を聞いたところわからなかったので…」

