例年だとこの時期には終息するはずのインフルエンザの患者数が、注意報レベルを超えています。なぜ終息しないのか、今シーズンの傾向を取材しました。

富山県内で猛威をふるった今シーズンのインフルエンザ。

医療機関の見方は…。

八木小児科 八木信一 医師:
「減ってはいますけど、完全に流行が終息したということではないと思うので、この先1、2週間くらいはまだ注意しなければならない」

富山市の八木小児科では、例年ほとんどゼロになるはずの3月になっても、週に10人から20人ほど患者が出ているといいます。

最新のデータでは、富山県内の1医療機関当たりのインフルエンザの患者数は1週間で18・42人で注意報レベルを超えています。

一方、新型コロナウイルス流行前の2019年から2020年のシーズンをみると今の時期にはほとんどゼロになっていて今シーズンは大きく終息が遅れているのがわかります。

これはいったいなぜなのか。富山県感染症研究所の大石和徳所長は。

富山県感染症研究所 大石和徳 所長:
「毎年のパターンだと1月のはじめからばっと増えてくるが、そのスピードがことしの流行は少し遅かった。子どものなかでも学校でのマスク着用などがある程度ピークを遅くした原因になっているのかもしれないと考察している」

去年おととしは海外との往来が制限され、加えて新型コロナの感染予防でマスク着用が浸透したことで、インフルエンザの患者数は激減していました。

一方、今シーズンは海外との往来が再開したことで患者が増えましたが、マスク着用の効果が、流行を全体的に遅らせたと大石所長はみています。

さらに、年代別では今までにない傾向が。

60歳以上の患者数をみると、過去5シーズンと比べ大幅に患者数が少なくなっているのです。

このほか15歳から59歳でも同じく患者は減少していて、コロナ対策を徹底していた大人の感染が減り、子どもが流行の中心になったとみられます。

大石所長:
「3月まだ流行があるけども、学校も春休みに入ったので、これから急速にインフルエンザの終息に向かうと思う」