分娩の中止を含めた診療内容の見直しを検討している長野県の松本市立病院に対し、市民団体が分娩の継続を求める要望書を提出しました。

申し入れをしたのは松本市立病院の分娩の継続と産婦人科の存続を求める市民団体のメンバー6人で、934人分の署名を提出しました。

病院は、老朽化に伴う移転新築を計画していて、分娩の中止を含めた診療内容の見直しを検討しています。

理由に挙げているのが、産婦人科医の確保の難しさと分娩件数の減少です。

松本市立病院の分娩件数は減り続けていて、2021年度は173件と、7年前の2014年度から7割近く減りました。

隣の塩尻市や山形村、朝日村などの郡部に分娩を備えた医療機関はなく、要望した市民団体は「分娩を中止すれば少子化がさらに加速する」などと訴えました。

(松本市立病院の産婦人科を守る会戸田俊子さん)「出生率が下がっていて病院の経営がということもあるが、公的病院は医師の費用を含め住民全体の医療を担保していくことが必要」

病院側は地元の意見を踏まえて検討していく姿勢で、「松本地域全体の医療における役割を考えていきたい」などと答えました。