「5年間、裁判での『嘘』に苦しんだ」
「障害があれば何をやっても許されるのか」
娘を奪われた母親とその親族は、2度目となる松山地裁の法廷で、やり切れない思いを訴えた。
地裁での審理を経て控訴審、更に上告、そして棄却。
事件の発生から既に5年が経ち、長引く裁判に翻ろうされていた。
判決で認定された事実を元に、事件と裁判を振り返る。
◇◇事件発生は5年前
今から5年前、2018年2月に事件は起きた。

13日、愛媛県今治市の会社敷地内から、運送会社に勤めていた、当時30歳の女性の遺体が見つかった。乱暴された痕跡が残る体には、首を手で絞められた跡、さらに被害者が着用していたタイツが首に巻き付けられていた。

翌日、同僚の男が殺人容疑で逮捕された。
西原崇被告、当時34歳。
犯行当日の夜、西原被告と被害者の女性は2人きりで仕事をしていた。被害者とは10日前に知り合ったばかりだったが、西原被告は一方的に好意を寄せていた。

職場での様子を知る関係者は、西原被告が被害者の女性と2人きりで仕事することに「異様に興奮していた」と振り返る。
◇◇「犯行当時の精神年齢は9歳」無罪主張
同年3月7日、松山地検は殺人と強制わいせつ致死の罪で西原被告を起訴。
10月16日に松山地裁で始まった裁判員裁判の初公判で、西原被告は起訴内容を否認した。

弁護側は、殺意を否定した上で、「西原被告には軽度の知的障害があり、犯行当時の精神年齢は9歳程度だった」「ストレスなどで行動をコントロールできず、犯行当時の記憶も失っていた」「精神障害の影響で心身喪失状態だった」として、無罪を主張。
仕事上での作業の進め方をめぐり女性に怒りを覚えた末の、無自覚な犯行だったと述べた。
注目の記事
民間人を地面に叩きつけ手錠をかけた米軍憲兵 規制対象の米軍人と勘違いか 「身分証示さない日本人も拘束できる」と誤った認識も 動画がSNSで拡散

「これが人間の顔なんだろうか」事故で亡くなったバリスタの男性(当時29)母親が語る二次被害「交通遺族は賠償金が入るからいいですよね」【前編】

クマに襲われたラーメン店員 無我夢中で殴り『大外刈り』で投げ飛ばし撃退 右脇腹周辺を骨折・顔から流血しながらも戦った57歳の男性店員が語る緊迫の状況「顔に飛びかかってきた…」 クマはまるで『丸太』

【判決の深層】「儀式」と称した11歳少女への性交事件 実母、友人、その子どもたち…34歳の男を頂点とする異様な"コミュニティ"の全貌と支配

南極オゾンホール「南極大陸の1.6倍 依然として大きい」気象庁が発表 回復への道のりは?

「なぜ裸?」子どもの質問に小島よしおは…1歳児の子育てに奮闘しながら実践「妻と熱量を同じに」月イチで夫婦は…トークショーで明かした“小島流子育て論”の正体












