4月から医療費の助成対象が拡充される長崎の被爆体験者たちが、広島と同様の救済を求めて要望活動を続けています。

全国被爆体験者協議会・平野伸人相談役:
「(要望は)何回目ですかね、分からないですねもう」

要望を続けているのは、爆心地から半径12キロ圏内で原爆に遭いながら、被爆者と認められていない被爆体験者たちです。

国は4月から『被爆体験者支援事業』を拡充し、「がんの一部」も医療費の助成対象に追加する方針ですが、広島では2022年度から裁判をきっかけに実質的な被爆地が4倍以上に広がる『新基準』が適用されており、被爆体験者たちは広島と同様の救済を求め続けています。

被爆体験者・濵田武男さん(83):
「(被爆体験車事業に)がんを広げて(追加して)やったからいいじゃないかと。それは絶対に県として許さないでください」

長崎県と長崎市は国に対し、追悼平和祈念館が所蔵する『被爆体験記』から雨や灰の記述を抜き出し、当時の降下物の飛散状況を調べるよう要望しており、これが被爆体験者救済につながる客観的証拠となることが期待されています。