ロシアのプーチン大統領は、モスクワを訪問中の中国の習近平国家主席と会談しました。ウクライナ問題をめぐりプーチン大統領は、現時点での停戦は困難との見方を示しました。

中国国営中央テレビによりますと、中国とロシアが発表した共同声明でロシア側は「中国が政治、外交ルートを通じてウクライナ問題を解決するため、積極的な役割を果たすことを歓迎する」としたほか、中国が発表した停戦を呼びかける文書についても評価する意向を示しました。

ロシア プーチン大統領
「我々は中国の『停戦案』で示された項目の多くがロシアの立場と一致しており、平和的解決の基礎にすることができると考える」

プーチン大統領は習氏との会談について「建設的なものだった」としましたが、中国が発表した停戦を呼びかける文書については、「欧米とウクライナ側に受け入れる用意が見られない」として、現時点での停戦実現は困難との見方を示しました。

また、両国は「ウクライナ問題を解決するためには対立をけしかけたり、火に油を注ぐことを避けなくてはならない」として、ロシアに対する一方的な経済制裁に反対する考えで一致しました。

これに先立ち、両首脳は、2030年までのロシアと中国の経済協力の発展に関する共同声明などに署名。今後もエネルギー分野などでの貿易を拡大することで一致したほか、習氏がプーチン大統領に対し、年内に中国を訪問するよう招待したとしています。