世界的に金融システムへの不安が広がるなか、日米欧の中央銀行が3年ぶりとなるドルの供給強化に乗り出しました。金融機関などが市場でドルを調達するのを助ける狙いですが、これで市場の動揺は収まるのでしょうか?
きょうの東京市場では、銀行株などが買い戻される場面もあり、一時、値上がりに転じたものの、金融システムへの不安は根強く、午後に入って下げ幅を広げ、節目となる2万7000円台を割り込んで取引を終えました。
株価の下落が続く背景にあるのは、世界的な金融不安です。
今月中旬からアメリカでは銀行が相次いで破綻し、スイスの金融大手にも信用不安が広がりました。
動揺する市場を落ち着かせるため、▼経営難に陥っているスイスの金融大手「クレディ・スイス」をめぐっては、同じスイスの金融大手「UBS」が買収することで合意し、▼日米欧の6つの中央銀行は協調して、市場へのドル資金の供給を強化しました。
これらは一時的にはポジティブに受け取られ、市場の警戒感を和らげたものの、世界的な金融システムへの警戒感を完全に払拭できたわけではありません。
■金融不安続く中…どうするFRB?
金融不安への対応に「一喜一憂」する株式市場。ある政府関係者はこの様子に「禍福は糾える縄の如し」と話します。
今月21日と22日にはアメリカの金融政策を決める会合があり、市場の注目が高まっています。
一連の金融不安の発端となったアメリカの銀行の相次ぐ破綻の背景には、中央銀行にあたるFRBが進めてきた「急速な利上げ」があるからです。
市場では今回の会合では0.25%の利上げを行うとの見方が優勢ですが、一方で、金融システムを安定させるため金利を据え置くのではとの声も聞こえます。
これまでFRBは“景気を犠牲にしてでもインフレを抑制する”という強い姿勢で利上げを続けてきました。
市場関係者は、「ここで金利を据え置くことは、金融不安がより深刻であると市場に受け取られる可能性もあり、難しい局面だ」と話します。
「インフレ抑制」と「金融システムの安定」という2つの難題に挟まれたFRB。この難しい局面にどう向き合っていくのか、市場が注目しています。
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