中国のIT大手「百度」は16日、独自の対話型AIサービス「ERNIE Bot」を発表しました。

百度 李彦宏会長兼CEO
「『ERNIE Bot』は中米の科学技術対立の道具ではなく、代々の百度技術者が世界を変えるという夢を追求する中で自然に生まれたものだ」

中国の「百度」が発表したのは、独自の対話型AIサービス「ERNIE Bot」、中国名「文心一言」です。インターネット上にある膨大なデータを学習し、利用者からの質問に対して自然な中国語で回答するのが特徴だとしています。

例えば、人気SF小説「三体」の作者やあらすじを尋ねると、AIが詳細に答えてくれます。ただ、まだ試作段階のため、使えるのは一部の個人や企業に限られていて、一般利用の開始時期は未定です。

百度 李彦宏会長兼CEO
「私自身が内部テストの過程で体験したこの『ERNIE Bot』の能力から言えば、完璧とは言い難い」

利用者が制限されていることや今回明らかになった技術力への失望感などから、市場の反応はいま一つで、「ERNIE Bot」発表後、百度の株価は一時9.8%下落しました。

中国国内では、アメリカのベンチャー企業「OpenAI」が公開した対話型AIサービス「チャットGPT」は原則使うことができません。中国政府はチャットGPTを通じて、中国に批判的な欧米の情報に国民が触れることを警戒しているとみられます。

王志剛科学技術相
「(中国は)AI技術を含むどんな新しい技術に対しても、倫理的な面で対応措置をとってきた。科学技術の発展の両面性を考慮し、害を防ぎながら、利益を最大限に引き出すよう努めている」

王科学技術相はこのように述べ、対話型AIサービスに慎重に対応する考えを示しています。