アメリカで相次いだ銀行の破綻に続き、スイスの金融大手の経営不安も広がったことで、日経平均株価は、一時大幅な下落となりました。

きょうの東京株式市場では取引開始直後から売り注文がふくらみ、日経平均株価は前日の終値に比べて一時500円以上の大幅な下落となりました。

先週からシリコンバレーバンクなどアメリカで銀行の破綻が相次ぐなか、経営難に陥っているスイスの金融大手「クレディ・スイス」をめぐっても筆頭株主が追加出資をしないと報じられ、市場では金融システムが不安定になるのではないかとの見方が広がっています。こうした警戒感がきょうの東京市場にも波及し、銀行や保険株などを中心に売られほぼ全面安の展開となりました。

その後、クレディ・スイスが中央銀行から日本円にして7兆円を超える資金調達を行うと発表したことで下げ幅は縮小したものの、結局、節目の2万7000円台を割り込んで午前の取引を終えました。

市場関係者からは、「今後、他の金融機関でも同じようなことが生じる可能性がある。予断を許さない状況が続く」との声も聞こえていて、市場には暗い影が漂っています。