「電気代」がどんどん高騰しています。少しでも電気代を抑えるため、節電に努める家庭も多いと思いますが、なかなか電気や石油を節約できないという場所もあります。一年中、一定の温度や湿度を保ち続けなければならない「博物館」からも、悲鳴が聞こえてきます。

島根県出雲市にある古代出雲歴史博物館です。

建物の裏手にある扉を開けると…

ここには館内の湿度を管理するための機械が設置してあり、24時間、365日稼働し続けています。

膨大な資料を展示したり、傷まないよう保存して後世に伝えたりすることがミュージアムの大きな役割。

展示物だけでなく、観覧されていない収蔵庫も常に空調を働かせて、環境の変化を避けなければなりません。


もちろん展示室には照明も不可欠です。

島根県立古代出雲歴史博物館 多根純 館長

「国宝の青銅器をはじめ、沢山の文化財を展示し、また保管をしております。事務室では明かりを落とすなど可能な節電は行っているところですが、一番電気の使用量の大きい展示室の空調や照明の節電ができなくて非常に厳しい状況です」

この博物館では、国宝を419点も収蔵していて、しっかりとした保存管理は、まさに国家的な使命でもあります。


島根県立古代出雲歴史博物館 多根純 館長

「電気代は昨年度と比べて約1.5倍になっています。多分、うちの博物館だけではなくて、どこの博物館も同じような状況だと思っております」

電気料金が元の水準に戻る時は、訪れるのでしょうか。節電は限界を迎え、苦しい日々が続いています。