育休復帰後に女性が直面する壁「積み上げたキャリアやポジションが維持されない」

▼事業所規模別の女性の育休取得率
・500人以上:91.7%
・100~499人:94.7%
・30~99人:79.3%
・5~29人:79.9%

▼男女別の育休取得率
・女性:85.1%
・男性:13.97%

政府の取り組みはどうなっているのでしょうか。4月に「こども家庭庁」が発足しますが、男性職員の育児休業取得率100%を目指すと発表しました。

小倉将信こども政策担当大臣は3月13日の衆議院予算委員会で「男性の育児休業取得や育児参画を促進するための取り組みを総合的に推進する方向を示している」とコメントしています。

実際、去年の10月から導入されている「産後パパ育休」制度というもので、子供が1歳になるまでに2回に分けて取ることができる育児休業とはまた別に、産後8週間以内に最長4週間を2回に分けて取得可能になる。つまり育休と合わせると4回、こまめに取得することができる、休みやすくしようという狙いの制度も生まれています。

ホラン千秋キャスター:
休みを取得しやすい雰囲気を作りながら働いている皆さんのモチベーションにもなるのでウィンウィンな感じがありますね。

TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:
二つの側面があると思います。一つ目は職場環境。働きやすく、育休が取りやすい雰囲気を作ること。二つ目はお金の問題。育休期間を長くするとともに給料もフルで払う。三井住友海上のように周りの人にまで払う。

政府の子育て政策のようにお金をジャブジャブ流すだけではなく、企業は「どんどん子供を産んでも大丈夫ですよ」「育てやすい環境作りますよ」と、色々と工夫してトータルプランを示す必要があると思います。

南波キャスター:
もう一つ課題があります。育休復帰後に「」に直面した経験があると答えた方が約8割います。▼育休前に積み上げたキャリアやポジションが維持されない。▼事業や会社の方向性がつかめない。という声があります。

実際の具体例として▼今までのスキルや経験が活用できない。▼任される仕事のレベルが下がった▼同じ量の仕事をしていても時短というだけでフルタイムと同等に評価されない。▼子どもの急な体調不良等で思ったように仕事が進まない。といった切実な声も上がってきています。

ホランキャスター:
予測不能な部分もあれば、自分としてはやる気はたくさんあるのに、周りにそういうふうに見てもらえない。難しいものなのでしょうか?

TBSスペシャルコメンテーター星浩さん:
資本主義社会なので他の国や他の企業との競争を勝ち抜いていかないといけない面もあります。しかし子供を会社全体で応援するという空気が出てきています。お金を儲ければいいというフェーズから、そういう価値観のフェーズに変わりつつあるような気がします。

ホランキャスター:
出産・育児をしなくてもキャリアを積んでいきたいと思う女性にとって長く休むことは勇気がいります。

日比麻音子キャスター:
子供を授かるというのは、かなりタフなことなのに仕事に弊害が生まれるのは本当に苦しいことです。育休を取得しやすい制度は社外にも非常に良い印象を与えますよね。