サッカー明治安田生命J2リーグのいわきFCは、12日、ベガルタ仙台と対戦し、待望のJ2初勝利をあげました。試合後、うれし涙を流すサポーターもいるほどのベストゲームでした。

3月11日、午後2時46分。いわきFCの関係者たちは12年前、震災で亡くなった犠牲者への冥福を祈り黙祷を捧げました。

山下優人主将「この日を忘れてはいけないと思いますし、一生懸命プレーすることが僕たちの使命なのかなと思っています」

村主博正監督「明日のプレーで、結果とプレーを見て何か伝えられなければ僕たちのいる意味がないのでしっかりやりたいという思いでいました」

そして、アウェイの仙台市で迎えた12日の試合。

高橋広季アナウンサー「ものすごく熱気を感じるスタジアムです。黄色一色でベガルタサポーターが詰めかけています。ただ、あちらにはいわきから多くのサポーターが駆けつけ選手たちの背中を後押しします」

開幕3試合でまだ勝利がないいわきFCの相手は、同じく被災地のクラブ、ベガルタ仙台。

試合は3.11の翌日に復興応援マッチとして行われ、いわきFCはJ2初勝利を目指しました。

会場に詰めかけた観客はなんと1万2269人。

大観衆が見つめるなか、試合が動いたのは前半20分。コーナーキックのチャンスからでした。

「気持ちで押し込んだ」というチームのムードメーカー江川が仙台ゴールを揺らし、いわきが先制します!喜びを爆発させます!

その後、いわきは体を張った気迫あふれるプレーを随所にみせ、仙台に試合の主導権を渡しません。

そして・・・

試合終了の笛90分間気持ちのこもったプレーで勝利への執念を見せ続けたいわきFC。J1経験もあるベガルタ仙台を1対0で破り、待望のJ2初勝利を挙げました!

サポーターだけでなく、決勝ゴールを決めた江川選手の目からもうれし涙が溢れます。

試合後はサポーターとJ2初勝利の喜びを分かち合いました。

江川慶城選手「シンプルにホッとしている。ひたすらただ、自分たちの積み上げてきたものを全力で出し切るところが今日の勝利に結びついたんじゃないかなと思っています」

山下優人主将「必死に戦うことで勇気や希望を持ってもらえるように、選手全員で一生懸命、戦おうと思っていたのでそれが形になってよかったと思います」

村主博正監督「諦めない姿勢をサポーターの皆さんに見せようというところから始まって最後まで90分間、やり通してくれたと思います」

いわきFCはこれで19位から15位へと順位を上げました。次の試合は3月19日、いわき市で徳島ヴォルティスと対戦します。

一方、J3の福島ユナイテッドはアウェイでSC相模原と対戦し、ユナイテッドは2点を先制されますが、試合終了間際に上畑のゴールで1点を返します。

しかし、1対2で敗れ、開幕2連敗となりました。

ユナイテッドは次の試合がホーム開幕戦です。3月19日、福島市でテゲバジャーロ宮崎と対戦します。