「敬遠されているものは売れない」市場関係者の本音

松井綾乃キャスター「東京JR新橋駅前に来ている。福島で獲れる魚について、県外の人たちは、どのように感じているのでしょうか」

Q.最近処理水という言葉を聞いたことありますか?「ある」
Q.処理水に何が含まれているか知っていますか?「放射性物質とか」
Q.何が入っているものか知っていますか?「処理水の中に…ちゃんとは分からない」

政府の調査で、全国での処理水の認知度は、55パーセントあまりと県内のおよそ84パーセントと比べ大きな差があります。

そうしたなか、漁業者が懸念するのが新たな風評です。

福島県沖で水揚げされた海産物は、“常磐もの”と呼ばれ、全国で高い評価を受けています。

いわき市の漁師「風評が尾を引くことは分かりきっているので(海洋放出には)反対。安全・安心という触れ込みだけで商品を買うわけだからきっちり説明しないとよろしくない」

東京・豊洲市場。

市場の関係者は、処理水についてどう思っているのでしょうか?

山治・山崎康弘代表「僕らもやっぱ商売なので、お客さんが敬遠されているものは売れない。僕らが大丈夫だって、そのエビデンスも話できないし、(政府は)一生懸命もっと説明した方がいいなというのは感じた。だって知らない人ばっかりだから」

そこには首都圏の消費者と向き合う巨大市場として、偽らざる本音がありました。

処理水の放出が迫るなか、政府と東京電力には、消費者そして福島の海を生業の場にする人々それぞれに寄り添った対話が今も求められています。