「携わった人たちに見てもらいたい」

そんな中、三重県桑名市で第二の"生"を送る車両が生まれ変わろうとしています。

(ナガラ管理部 鈴木貴雅さん)
「サビや塗料が浮いていて、本当にどうしたらいいのか。捨てるしかないのかなと思うくらい、サビが目立っていた」

車両を再塗装するプロジェクトです。

きっかけは、取引先からの思いがけない一言でした。

(ミドリ商会 水野雄介さん)「最初は僕が電車を見て、かわいそうだなと」


これまでに2回ほど、従業員たちで塗装を試みましたが、専門外のため難航。塗装を専門とする取引先からの助けでプロジェクトが動き出したのです。

(ミドリ商会 水野雄介さん)
「(緑とグレーが)くっついている。画像を見ると。あくまで画像ベース。現存のピーチライナーは見られないので」

仕事の空いた時間や、休日を利用しながらおよそ2年半をかけて修復。

まもなく完成です。

(ミドリ商会 水野雄介さん)「いや~きもちいい~」
(ナガラ管理部 鈴木貴雅さん)「きょうグレーが入ったことによって、キリッとしてすごくいい感じ」


完成に向けて、路線に思い入れのある人や鉄道ファンなどからの問い合わせもあるとのこと。

(ナガラ管理部 鈴木貴雅さん)
「話をもらった時には夢というか、ここまでは想像もできていなかったし、感謝しかない」

(ミドリ商会 水野雄介さん)
「僕はとにかくピーチライナーに携わった人たちに見にきてもらいたい。喜んでもらいたい」

いつか路線の構造物もなくなり記憶も薄れていく中、生まれ変わった車両は多くの人の思いを乗せて静かに走り続けます。