避難先となる福島県会津若松市に拠点を置き、2023年4月から福島県大熊町に戻る義務教育学校「学び舎 ゆめの森」。震災後に生まれた4年生の女の子は、まだ暮らしたことがない町に戻ってこの学校に通う決断をしました。

先生と会話しながら、体育館で元気にボールを追いかける子どもたち。

会津若松市に拠点を置く、義務教育学校の大熊町立「学び舎ゆめの森」では、小学校にあたる前期課程5人、中学校にあたる後期課程2人、そして聴講生1人、あわせて8人が在籍しています。

2011年の東日本大震災と原発事故で全町避難を余儀なくされた大熊町。町にあった小学校や中学校も会津若松市に移転し、仮校舎での学校生活を余儀なくされました。

そして、2022年4月、小・中学校を集約した「学び舎ゆめの森」が会津若松市に開校しました。

学校は、2023年4月、町に戻って町内の施設などを借りて授業を行い、今年8月からは復興拠点の大川原地区の新たな校舎に入る予定です。

増子啓信 副校長「会津若松市の校舎も子どもたちにとっては『学び舎』で『ふるさと』。大熊町にできる新しい教育施設で、子どもたちと一緒に今度はそこが『ふるさと』になるように、教育の充実を図っていきたい

子どもの成長のためには地域と学校の「協同」が大切だといいます。

増子啓信副校長「子どもたちは大熊町の『未来』であって大熊町の『宝』。地域の人たちと一緒に子どもたちを育てていくことを大事にしていきたい。まずは子どもたちに名刺を持たせて復興住宅に住んでいる人にあいさつをして、交流のきっかけをつくりたい。地域の人も子どもたちから元気を分けてもらえるようになればいい」

少しづつ復興が進む大熊町。町に戻り、学び舎ゆめの森に通うことを決めた児童がいます。