山口県長門市の漁港に打ち上げられ死んでいる状態で見つかったクジラを埋める作業が、8日午後2時半ごろ終わりました。地域住民らが住職とともに手を合わせ、クジラを弔いました。

供養した地域住民は「漂着したのは何か因縁があり、感慨深いものがある。長門市は古くから漁師が捕獲し食していたので、クジラには古くから親しみがある」と話しました。長門市はかつて、回遊するクジラの群れを、網などを使って捕獲する古式捕鯨が盛んで、地元の小学生が「鯨唄」を歌い継ぐほか、今も毎年法要が行われています。

きょうの作業は午前9時すぎから始まりました。当初は25トンクレーンを使っていましたが、クジラが重すぎて持ち上げることができず、60トンクレーンに替えて午後から作業を再開。クジラを持ち上げ、海岸に掘った深さ3メートルの穴に埋めました。

市農林水産課によりますと体長13メートルで、重さ12.5トンのオスの成体とみられています。市の把握では今年度、市内に漂着したクジラは2例目ということです。

このクジラは5日午前8時ごろ、長門市油谷伊上の漁港で地元の漁業者が漂着したクジラを発見しました。発見した人によると、すでに死んでいる様子だったということです。