中国が進める巨大経済圏構想「一帯一路」が始まって10年です。その一環で建設された中国とラオスを結ぶ鉄道は先月、利用者が過去最高を記録。その一方、対中依存への国際社会からの懸念も高まっています。
中国南部、雲南省・昆明。2021年12月に開通した「中国ラオス鉄道」です。
「ラオスに旅行に行くんです」
「(私たちは)夫婦です。妻はラオス人です。鉄道は安いから(両国間の)貿易が盛んになるでしょう」
ここからラオスの首都・ビエンチャンまでの1000キロを結びます。
中国メディアによりますと、今年2月の「春節」の連休期間中に「中国ラオス鉄道」の利用者は過去最高となり、最も多い日では1日7万4000人が利用したといいます。鉄道ができたことで、国境周辺の往来も活発になりました。
市場で働く人
「ココナツなどは全部ラオス産です。(鉄道が開通してから)輸出も輸入もとても多くなりました」
この鉄道は、中国が推し進める巨大経済圏構想「一帯一路」の一環で作られたものです。
このような中国が展開する巨大プロジェクトをめぐっては、中国の影響力が強まることや巨額の貸し付け資金が返済できなくなり、中国にインフラを奪われる「債務の罠」に陥ることが懸念されています。
実際、ラオス区間の建設費、60億ドル=およそ6780億円の7割が中国からの貸し付けになります。
中国に対する債務などで国家財政が危機に陥った国があります、スリランカです。中国からの融資に頼って港を建設。返済に行き詰まり、中国企業に港の運営権をゆだねることになってしまいました。
中国 秦剛外相
「中国ラオス鉄道は陸の孤島だったラオスに外とのつながりをもたらした。『債務の罠』というレッテルを中国に貼ることは絶対にできない」
「一帯一路」構想が始まって今年で10年。鉄道建設の成果を強調した秦剛外相でしたが、「債務の罠」批判に対しては「関係国の救済に力を尽くしている」と述べるにとどまり、正面から答えることはありませんでした。
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