冬場は1キロで1万円を超えることもある “幻の高級魚” クエの陸上養殖に乗り出し60歳で起業──定年を迎えた夫も巻き込み 奮闘する女性に密着しました。
養殖場を作り出すまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。
クエの魅力に取りつかれた福田 明美さん 61歳です。


トラックから運びだされ、ピカピカの水槽に移されていくクエ。
1人の女性が夢見た陸上養殖場がついに完成しました。

リクヨーファーム 福田 明美さん:
「夢です。夢が叶いました」
鍋で良し、刺し身で良し── 専門店で魅力に取りつかれる

旬の味 一粋(長崎県佐世保市松川町)の店舗内で巨大なクエを抱えて…

福田 明美さん:「クエ実ちゃんです♪」
佐世保市内でクエ料理を提供する店で働いていた福田さんは、2021年6月、その魅力を全国に発信しようとリクヨーファームを立ち上げました。

店の代表で、高級ホテルの料理長も務めた渡邉 達則さんと二人三脚での船出でした。
渡邉 達則さん:
「いい出汁が取れるんで。クエはナンバーワンだと思います」


九州ではアラとも呼ばれ、冬場は1キロ1万円を超えることもあるクエ。
成長が遅く漁獲量も少ないため、幻の高級魚と呼ばれています。

魚コラーゲンたっぷりの出汁を利かせた鍋には多くのファンが…

味わった男性客:「あ~」
女性客:「何このぷりぷり感!」
男性客:「この人の笑顔見たの 久しぶり」
女性客:(笑)

刺身も絶品です。

リクヨーファーム 福田 明美さん:
「今まで食べたお刺身とか魚料理の中で 一番美味しかったんです。見てくれはこんなに地味だけど、味はとっても華やか」
“幻”を手軽に 安全に── 3年かけ “陸上養殖”の技術を学ぶ

黄金色に輝くクエの出汁を使ったレトルトカレーを開発するなど、クエの魅力を追求してきた福田さん。
創業時から目標にしてきたのが、自分たちの手でクエを “陸上養殖” することです。
福田 明美さん:
「やっぱり大きい水槽でいっぱい飼って…ちっちゃいのから大きいのまでいっぱいあって。注文が来たら そこから水揚げして出荷するって言うのが夢ですね」