1段目が成功すれば2段目も成功するだろうと…
JAXAによりますと、「H3」の2段目エンジンの着火が確認されず、搭載した地球観測衛星「だいち3号」を予定の軌道に打ち上げるミッション達成の見込みがないとして指令破壊の信号が出され、打ち上げは失敗に終わったのです。
田中精密工業部品技術部 高井正樹部長:
「本当に悲しいですね。一度本当に喜んだので。そこからの落差は非常に大きくて」
タナカエンジニアリングの技術者たちが、親会社の田中精密工業とともに、宇宙プロジェクトのチームを発足したのは2014年。

F1マシン用の部品を手がけた 精鋭ら40人がメンバーとなり、5年という長い歳月をかけ、ついに2019年、三菱重工業から「H3」初号機のエンジンや水素と酸素の圧力を調整する機体バルブ用の部品など、合わせて11点の受注に成功したのです。20社以上のライバルの中から選ばれた快挙でした。

田中精密工業部品技術部 高井正樹部長:
「こちらにエンジンが付いているんですが、弊社では、こちらのエンジンの部品を作っています。高温だったり、そういうところに耐えられる材質の物を削らなければならない、非常に難しい加工などがありますので」

部品加工の「ずれ」の許容範囲は1000分の1ミリ以下。極めて高い精度が求められました。苦難を乗り越えて臨んだ2回目の打ち上げも失敗に…。
現地で見ていた杉本さんも、成功と思い込んだといいます。
タナカエンジニアリング航空営業課
杉本匡志係長:
「やっぱり残念ですね。見ている限りは成功したと思っていたんですけど。H3ロケットの2段目のエンジンは、H2Aとほぼ同型機といわれるようなエンジンでしたので」

「1段目がメインの開発だったというところから、1段目が成功すれば2段目も成功するだろうと思い込んでいた部分もあったので。絶対はないんだなと思い知らされた」

田中精密工業部品技術部 高井正樹部長: 「絶句という感じですね。言葉を失った感じですね」

「ロケットはたしかに残念ではあったんですけども。我々としては1つの通過点だと考えていますので。今後も、我々の技術を生かして航空航空に携わっていきたい」















