日本の新たな主力ロケット「H3」の初号機が打ち上げられましたが、2段目のエンジン着火が確認されず、指令破壊の信号が出され、打ち上げは失敗しました。「H3」の打ち上げを見守っていたロケットの部品を製造した富山の企業は、当初、打ち上げが成功したと思い込み大喜び…しかしその後、失敗に終わったと告げられると…
「信じられない」「本当に悲しい。一度本当に喜んだので落差は非常に大きくて」など落胆の声が上がりました。

「5、4、3、2、1…」
7日、鹿児島県の種子島宇宙センターから、「H3」初号機の打ち上げ映像を見守るのは富山県の田中精密工業とタナカエンジニアリングの技術者たちです。

田中精密工業部品技術部 高井正樹部長
「前よりいっそう何とか飛んでほしいという思いですね」
タナカエンジニアリングの技術者たちは、親会社の田中精密工業とともに2014年に宇宙プロジェクトのチームを発足。
構想から10年という長い歳月をへて先月17日、いよいよその夢がかなうはずでしたが…。電気系統のトラブルにより打ち上げは中止となりました。
今度こそ成功を…きょう迎えた2度目の発射。

宇宙プロジェクトチームのメンバー、タナカエンジニアリングの杉本匡志さんら3人は、打ち上げの瞬間を見届けようと現地に駆けつけました。
タナカエンジニアリング航空営業課 杉本匡志係長:
「ドキドキ、ワクワクという感じですね。なんとか飛んでくれと祈っている」

富山で見守る田中精密工業の高井正樹部長は。
田中精密工業部品技術部 高井正樹部長:
「前よりいっそうなんとか飛んでほしいという思いですね」

そして7日の午前10時37分。

「おー!」

力強く宇宙に向けて飛び立っていく「H3」。ついにロケットが打ち上げられました。

会場に歓声があがります。


現地、種子島にいる仲間から喜びの声が届きます。
タナカエンジニアリング航空営業課
杉本匡志係長:「最高です」

富山で見守る高井部長も感激していました。
田中精密工業部品技術部 高井正樹部長:
「よかったです。本当によかったです美しいなと思いましたね。飛んでいく姿が」

先日17日の発射中止を乗り越えて、ついにロケットが無事、発射した…はずでした。技術者たちは笑顔のまま解散。仕事に戻りました。しかしその14分後、信じられない情報が届いたのです。
種子島:「ロケットはミッションを達成する見込みがないとの判断から指令破壊信号を送信しました」

2段目エンジンに着火が確認されず、打ち上げは失敗したのです。

田中精密工業部品技術部 高井正樹部長:
「携帯でニュースが流れてきたのを一緒にいた人が気付いて知りました。みんな、信じられないという言葉が非常に多かったですね。またかという感じですね」














