甚大な被害が出たトルコ・シリア地震の発生から6日で1か月となりました。子どもたちの“心のケア”などが課題となる中、被災地の状況は今どうなっているのでしょうか?

トルコ・シリア地震から1か月 求められる子どもの“心のケア”

井上貴博キャスター:
東日本大震災もですが、災害というのは過去ではなくて、ずっと続いていく、しかも子どもたちは、親に心配させないように我慢することもあるし、心の傷というのは、時間経過とともに癒えるものでもない、などと言われますが、どういうふうに向き合っていくといいのでしょうか?

田中ウルヴェ京 スポーツ心理学者(博士):
例えば、心のケアで一番難しいのが、人には見えないというところです。
体のケアは、例えば、膝を怪我しているとか、あるいは肩の骨折をしているとか、要するに外傷が見えると、どの程度の重度であるか、というようなことも予想がつくわけです。
ところが、心は見えない。そして見えないだけでなく、本当に人それぞれに異なる。
例えば、父や母がいなくなった子どもなのか、それともいるのか、そのことも、子どもが言葉を発してくれないと、状況がわかりません。
まず、この時期に大事な心のケアは、もちろん多様にありますが、一つとしては、今、子どもはどの状況かということを把握できるだけでも、様々な支援を大人は考えられるので、子どもが話せるような状況になるための心のケアが、まずは大事ですが、そこが実は難しいということです。

トルコの地震の実態 トルコ・シリアで死者は5万人超

ホラン千秋キャスター:
状況の把握という意味では、今、トルコ、シリアがどのような状況になっているのか、本当の意味で、確かな状況をつかめているという人はいないのかもしれません。
地震発生から1か月が経過しました。一体どのような状況なのでしょうか?

▼2月6日 午前4時すぎ(現地時間)
トルコ カジアンテップ県
マグニチュード 7.8
震源の深さ 17.9キロ
(USGS=米地質調査所より)

▼2月6日 午後1時すぎ(現地時間)
トルコ カフラマンマラシュ県
マグニチュード 7.5
震源の深さ 10.0キロ
(USGS=米地質調査所より)

▼死者
トルコ 4万5960人
シリア 6795人
合わせて5万2700人以上