ロシア軍が包囲するウクライナ南東部の要衝マリウポリの製鉄所。1日、女性や子どもら100人以上が退避したとウクライナのゼレンスキー大統領が明らかにしました。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「戦争が始まって以来初めて、極めて重要な人道回廊が機能した。そして(アゾフスタリ周辺で)初めて2日間の停戦が実現した」
製鉄所では、およそ1000人とされる民間人らが食べ物も水も、そして光も届かない状況に置かれていました。
製鉄所からの退避 ウスマノワさん
「信じられない、2か月の暗闇でした。バスに乗っているとき、夫に『もう懐中電灯を持ってトイレに行かなくていいの?』と尋ねてしまいました。『袋やバケツ、懐中電灯を使わなくていいの?』って。ずっと太陽が見えなかった」
ロシア国防省は、「ウクライナの民族主義者に拘束されていた女性や子どもを含む民間人80人が、プーチン大統領主導で解放された」と発表しています。退避は、国連の支援のもと行われ、ロシア側を意味するシンボル「Z」と書かれた車両に加え、国連の車両や赤十字国際委員会の関係者の姿もありました。
ゼレンスキー大統領は、条件が整えば現地時間2日午前8時、日本時間午後2時から再び退避が実施されるとし、マリウポリ市議会は2日目の退避は「1時間早まった」と発表。製鉄所にはけが人も多くいるとされる中、退避は無事に進むのでしょうか。
製鉄所から退避
「2か月も製鉄所で退避の時を待っていました」
「子どもたちは、ずっとお腹をすかせていました。大人は我慢できますが…」
ゼレンスキー大統領は、退避は2日目の2日も行われる予定だとしていますが、いまのところ新たな退避がはじまったとの情報は入っていません。また、1日親ロシア派が支配する村まで退避した民間人は2日、南東部ザポリージャに到着する予定ともされていますが、到着したとの情報もまだありません。
製鉄所にはおよそ1000人が取り残されていると伝えられていて、けが人などもいるとされる中、退避が無事完了するかどうか、予断を許さない状況が続いています。こうした中、ロシア軍は東部に加え、南部への攻勢も強めています。
ロシア国防省報道官
「高精度ミサイル『オーニクス』が、欧米諸国からの武器・弾薬を保管した軍用飛行場の格納庫と滑走路を破壊した」
ロシア国防省は1日、南部オデーサ近郊の空港を攻撃したと発表。空港の格納庫には、「欧米から供与された武器・弾薬が保管されていた」と主張しています。
ロシアのプーチン大統領が9日の「対ドイツ戦勝記念日」で、ウクライナとの「戦争状態」を宣言し、より攻勢を強める可能性も指摘されています。
犠牲者はどこまで増えつづけるのでしょうか。
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