ロシア軍が包囲するウクライナ南東部の製鉄所に取り残されていた民間人およそ100人の退避が実現しました。ゼレンスキー大統領はロシア軍による侵攻が始まって以来、この地域で「初めて2日間の停戦が実現した」と強調しています。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「戦争が始まって以来初めて、極めて重要な人道回廊が機能した。そして、(アゾフスタリ周辺で)初めて2日間の停戦が実現した」
ロシア軍が制圧を主張するマリウポリ。ウクライナ側が抵抗を続けていたアゾフスタリ製鉄所から、1日、女性や子どもら100人以上が退避したことが明らかになりました。
ウクライナのゼレンスキー大統領はロシア軍による侵攻が始まって以来、この地域で「初めて2日間の停戦が実現した」と強調。国連の支援を受けたとしていて、映像にはロシア軍の車両とともに、国連の車両や赤十字国際委員会の関係者の姿もありました。
製鉄所から退避 ウスマノワさん
「信じられない。2か月の暗闇でした。バスに乗っているとき、夫に『もう懐中電灯を持ってトイレに行かなくていいの?』と尋ねてしまいました。『袋やバケツ、懐中電灯を使わなくていいの?』って。ずっと太陽が見えなかった」
民間人を乗せたバスは2日、南東部ザポリージャに到着する予定です。しかし、製鉄所には、今なお、およそ1000人の民間人がいるとされています。マリウポリ市議会によりますと、現地時間午前7時から、マリウポリに残る人々の退避が引き続き行われます。
一方、ウクライナ東部や南部への攻勢を強めるロシアは、南部の都市オデーサ近郊の空港をミサイルで攻撃したと、1日、発表しました。
ロシア国防省報道官
「高精度ミサイル『オーニクス』が、欧米諸国からの武器・弾薬を保管した軍用飛行場の格納庫と滑走路を破壊した」
ロシア国防省は、空港の格納庫には「欧米から供与された武器・弾薬が保管されていた」と主張しています。
そして、ロシアが一定の戦果をアピールするとの見方が出ている今月9日の「戦勝記念日」をめぐって、ロシアのラブロフ外相は。
ロシア ラブロフ外相
「我々の軍は戦勝記念日を含め、いかなる日付にも行動を縛られない」
イタリアメディアのインタビューに応じたラブロフ氏。9日の対ドイツ戦勝記念日がウクライナ侵攻をめぐる転機となるのかという質問で、関係ないとの立場を表明。「例年通り、5月9日を厳粛に祝う」と話しました。
欧米などは、プーチン大統領が戦勝記念日に「特別軍事作戦」としてきた侵攻について「戦争状態だ」と宣言し、より攻勢を強める可能性を指摘しています。
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