福島県会津美里町で行われた団地解体工事をめぐって、部屋に保管してあった私物を勝手に廃棄されたとして、会津美里町出身で現在は東京に住む男性が町に対し、損害賠償を求めていることがわかりました。

原告側の弁護士によりますと、男性は会津美里町出身で、町内の建物に両親と暮らしていましたが、2005年に都内に引っ越しました。

2009年、会津美里町の「横町地区門前通り」の整備計画に協力し、両親から相続した建物を解体しました。

建物の解体に伴い、男性は両親の位牌やアルバムなどの私物を、町に相談のうえ、町営団地の空き部屋に移して保管していました。

その後、2014年12月から2015年3月にかけて、町はこの町営団地の解体工事を行い、男性に確認することなく、これらの私物を廃棄したということです。

男性は、こうした廃棄により、尊厳を否定され、過去を奪われたとして、町に損害賠償を求めています。

取材に対し、会津美里町は「町として事実として認識している。男性が私物を保管したことも当時の担当者は把握していたが、担当者間で引き継ぎがうまくいかず、最終退去者のものだと思って処分してしまった。そのほか、詳細については控える」とコメントしています。

口頭弁論は、4月18日に地裁会津若松支部で行われる予定です。