今年2月、島根県松江市でサッカースクールを立ち上げた1人の男性がいます。JFL・FC神楽しまねの元選手、佐藤啓志郎さんです。
チームが事実上解散となる事態となった中、島根に残り指導者への道を選んだその思いとは。


松江市の総合体育館。

「いけ!決めてカメラにピースだ!」

子どもたちと一緒になっておにごっこをしたり、子どもたちへ声をかけたりする1人の男性。

スクールに通う小学生
「(佐藤コーチは)前のコーチで、気に入っていたから」

スクールに通う小学生
「優しい」

佐藤啓志郎さん
「何も分からない状態からイチからスタートしたものなので、大変な部分はあるが全てが新鮮で楽しみながらやれている」

佐藤啓志郎さん28歳。
北海道出身の佐藤さんは4年前、FC神楽しまねの前身・松江シティFCに入団。チームの主力として活躍してきました。

しかし、FC神楽しまねは昨シーズン途中、クラブの運営会社の経営難が発覚。チームは事実上の解散となり、佐藤さんも現役引退を決めました。

KEISHIサッカースクール 佐藤啓志郎代表
「(現役に未練は?)ないですね。次に向かって進もうかなと。去年いろいろあった中で、島根の子どもたちがサッカーを続ける場を保ちたいという気持ちの方が地元に戻るよりも強かった」

佐藤さんは、引退後も島根に残ることを決意。チームのサッカースクールを引継ぎ、地元の子どもたちがサッカーが出来る受け皿を作るため動き出しました。

そして、スクール初日。

「これからサッカースクールを始めます。よろしくお願いします!」

この日は、体験で訪れた子どもの姿がありました。

在籍したチームのスクールで5年の指導経験を持つ佐藤さん。
立ち上げた「KEISHIサッカースクール」は、初心者でもサッカーを通じて体を動かす楽しさを知って欲しいと、幼児から小学6年生を対象に受け入れています。

体験で参加した子ども
「おにごっこが楽しかった」

保護者
「サッカーを学ばせる環境が近くになかったので(FC神楽しまねから)引き継いでもらって。息子も気に入っているようなので入会を検討したい」

島根の子どもたちと歩む佐藤さんの新たなサッカー人生。
今後に注目です。

KEISHIサッカースクール 佐藤啓志郎代表
「(サッカー選手で)夢を与える立場も子どもたちにとって必要なものかなと思うが、もっと身近な存在として、サッカーを始めたばかりの子や運動に接したことない子に寄り添う立場になりたい」