旅立ちのシーズンを迎え、石川県内でも公立高校を中心に卒業式が始まりました。3年間をコロナ禍で翻弄され続けた3年生たちは、ようやく最後にマスクなしの素顔で式に臨むことができました。
251人が卒業の日を迎えた野々市市の野々市明倫高校では、密集を避けるため在校生は出席しない形で卒業式が行われ、拍手で迎えられた卒業生のなかにはマスクなしで式に臨む生徒の姿も見られました。
校歌斉唱前のアナウンス「この学年は一度も全員で校歌を歌ったことがありません。初めて心を合わせて校歌を歌います。マスクを着用してください。」

感染症対策のため、これまで3年生全員では歌う機会がなかった校歌。
県は国の方針に基づき、マスクの着用について生徒や教職員はマスクを外すことを基本としていますが、歌など声を出す場面では対策を講じるよう求めています。
卒業式では、一人ずつ名前が呼ばれた後、代表の坂本夏寿麻さんに卒業証書が手渡されました。この後、樋口勝浩校長が式辞として「臆することなく色んなことに挑戦してほしい」とはなむけの言葉を贈りました。

感染拡大による臨時休業から始まった学校生活。
それでも卒業生を代表して釜田晃志さんは、マスク生活を強いられた3年間の思いをこう答辞に込めました。
釜田さんの答辞「共に笑顔で過ごした3年間はとても充実した時間でした」
卒業式を終えて釜田さんは「3年間ずっとマスクをした生活だったので最後でマスクを外して皆の顔を見られたのはとてもよかったです」と話していました。坂本さんも「1年生の初めの頃は休校で会えなかった友達とかいて、不安もいっぱいだったけど、無事3年間を終えれて卒業出来て本当に嬉しい気持ちでいっぱいです」と笑顔を浮かべていました。
教室に戻った生徒たちは卒業写真に寄せ書きをしながら、仲間との別れを惜しみます。卒業式でマスクを着けるか否かについては、生徒たちもしっかり考えたといいます。

マスクを外して参加した林雅樹さんは「一番は親に自分の晴れ姿を自分の素顔を見せたいなと」と話し、同じくマスクを外して参加した山本陽菜里さんも「笑顔で仲間と一緒に迎えられたということをお互いに見せられるなと思った」と話していました。
教室で担任から直接、卒業証書を受け取った生徒たち。新型コロナの苦難を乗り越え、仲間とはぐくんだ友情を糧に、それぞれ新たな人生を歩みだそうとしています。