一方、地区の人口は年々減少。
高齢化率は46%以上で、住民の負担は増しています。
追い打ちをかけるように、2021年11月にボイラーが故障。
洗い場の湯が使えなくなり、やむなく休業となりました。

新たなボイラーの設置には、200万円以上かかり、住民に負担がのしかかります。
廃止を検討すべきとの意見も上がりましたが、「生活の一部になっている」と再開を待ち望む声も。

住民へのアンケートや話し合いを重ねる中、再開の決め手となったのが、地域の名前でした。

(松代温泉区・田中良忠区長)「松代温泉という名前のある地域なので、一つ再開に向けて頑張ってみようと」

住民からの寄付と市の助成金も使って工事を行い、2022年11月、1年間の休業を経て再開にこぎつけました。

(地元の住民)「ほとんど毎日来てる」「ストレス解消にもなるしさ。今コロナでね」

幅広い世代に来てもらえるよう、洗い場には、これまでなかったシャワーを取り付けました。

しかし、再スタートを切った公民館温泉に、物価高の波が押し寄せます。
資材費の高騰で工事費用が増加し、水道光熱費の値上がりで温泉の運営は赤字に…。

1月、ついに入浴料を300円から450円に値上げしました。
休業前、1日平均45人だった利用客は、値上げ後1日30人程に減少。
田中区長が力を入れているのは、若い世代への利用呼びかけです。

(田中区長)「地域の情報も共有できたり、裸の付き合いってむかしから言いますけど、お互いに腹を割って話ができるのはいいことだと思っていますので、皆さんに利用していただければ」

地区の名前「松代温泉」を後世につなぐための取り組みが続いています。


【長野市・松代温泉公民館】営業時間は午後4時から午後8時半まで。月曜休業で、地元の人だけでなく一般の人も利用できるということです。