まずこちらをご覧ください。牛乳の生産量が日本で3番目に多いのが熊本です。

この牛乳なのですが、新型コロナによる消費の低迷などで、北海道では搾ったばかりの「生乳」が大量に廃棄されています。

では、熊本ではどうなのか酪農家を取材しました。

毎日の食卓に欠かせない牛乳や乳製品ですが、エサ代の高騰などで値上げが止まりません。

米満薫アナウンサー「コロナ、円安、ウクライナ情勢打撃を受けている酪農業界、熊本県内の酪農家の現状はどうなのか生の声を聞きます」

取材に向かったのは西日本最大の酪農生産地と言われる菊池市です。

酪農を営むウッドランド 森浩一郎社長「熊本に関しては廃棄はないです。(生産の)抑制をした関係で落ち込み過ぎた状態で100%と考えると、いまは九州全体では93~4%にまで落ち込んでいる状態になっています」

新型コロナの感染拡大による乳製品の消費低迷を受けて、去年全国一斉に行われた「生産抑制」の影響で、県内では生産量自体が減少しているといいます。

この「生産抑制」ですが、一般的には搾乳日数を減らしたり、牛を売ったりするため、酪農家にとっては収入が減ることになります。

そのような中で酪農家が今、新たに頭を抱えているのがエサ代の高騰です。

森 社長「私が酪農を始めて今までなかった状況ですね。搾乳をしても赤字の方が増えていく状況が続いています」

ウクライナ侵攻以降エサ代のコストは1.5倍以上に。

しかし、品質を維持するためには生育環境を変えられず、こちらの農場ではエサ代が毎月360万円増加しているとし、酪農家が置かれている状況は深刻だといいます。

森 社長「熊本県で言いますと(酪農家が)15件以上は、去年一年で減っている状況です。それに加えて今年はもっと増える可能性がある」

国も農業支援や需給調整をどうするのか対策を検討していますが、森社長は生乳は「生もの」で長期間保存できないとし、次のように訴えます。

森 社長町の牛乳をもう一杯余分に飲んでもらうことが、酪農家の一番の願いです」