キリスト教系団体「エホバの証人」で虐待が疑われる事例が報告されているとして、弁護士らが厚生労働省に申し入れを行いました。
“子どもへの輸血を拒否”といった訴えが出ていますが、一体、何が起きているのでしょうか?
「エホバの証人」では “輸血拒否”を義務付けか 過去には死亡例も

井上貴博キャスター:
宗教団体「エホバの証人」について様々な相談が寄せられているなか、暴行、そして子供をどうやって守るのかが問題になっています。エホバの証人問題支援弁護団の田中広太郎弁護士は 「虐待が疑われる事例が報告されているとして厚生労働省に申し入れを行っています」 「児童虐待の被害に遭う人を少しでも減らし、救済される。それが私たちの目的です」とコメントしました。

「エホバの証人」の発足は1870年代 で、アメリカに本部を置くキリスト教系の宗教団体です。信者は世界で約870万人で、日本国内では約21万人とされています。信仰上の理由で「輸血」を拒否するということです。

信者には「医療に関する永続的委任状」という輸血拒否のカードに署名したものを基本的に持つことが義務付けられているといいます。
SNS上では元信者などから「輸血拒否カードなんて持ちたくもなかった」「大人は自己責任だから良いけど子どもには背負わせるなよ!」こういった書き込みもありました。過去にはこういったこともありました。

1985年、神奈川・川崎市で小学校5年生の男の子がダンプカーにはねられ病院で死亡が確認されました。この男の子の両親はエホバの証人の信者でした。そして、宗教上の理由で輸血を拒否したため、輸血をすることができず、男の子は5時間後に出血多量で死亡しました。警察は「子どもが死亡したのは事故のためで、輸血をしなかったためではない」として刑事責任は追及しないということになりました。

輸血拒否について「エホバの証人」はどういった教義になっているのか…(以下、エホバの証人HPより一部抜粋)
旧約聖書も新約聖書もはっきりと血を避けるよう命じています。神はまた血は命を表すものと見ておられます。命を与えてくださった神に敬意を払いたいからでもあるのです。病気になった時は無輸血で医療処置や手術を施してくれる医師にかかります。
ですので自分がどうなったときでも輸血は絶対にしないでくださいと医師に伝えることがこの信者の皆さんのなかでは普通だというのです。