大分を代表する銘菓がコロナ禍の影響で売り上げが激減しました。創業72年の老舗菓子メーカーは何とか歯止めをかけようとイタリア料理などとの合作で、おしゃれなスイーツを考案しました。老舗の新たな挑戦を追いました。
真っ赤なつやつやのイチゴに牛乳のジェラート。春を感じるこのデザートには地元馴染みの味が…
(やせうま本舗 田口菓子舗・田口永依子専務取締役)「これ、やせうまが入っているんですかと聞いたら、梯シェフから『ここにちょっと見えます』と写真が送られてきて何度かやりとりをして完成した」
創業72年のやせうま本舗田口菓子舗は、小麦粉で作った平たい麺に、きなこと砂糖をまぶす大分の郷土料理、「やせうま」をアレンジした和菓子を作り、今なお、根強い人気があります。しかし、コロナ禍で売り上げは9割減少、そこで今回、3人のシェフとのコラボ企画が誕生しました。

(田口永依子専務)「土産品としての認知度はすごく高いが、日常的には食べてもらえてないというのを感じている。大分県内の皆さんにも郷土の味を思い出してくれる存在になるんではないかと思って取り組みました」
今回はイタリアン・フレンチ・和食、それぞれのジャンルのシェフ3人がやせうまのアレンジスイーツを考案し店で提供。また、家庭でも作れるようアレンジレシピをSNSで発信することも決まりました。このうち、別府市のイタリア料理店ではスイーツの提供が23日から始まりました。
(オット・エ・セッテ大分 梯哲哉オーナーシェフ)「(やせうまは)食べて美味しいからこれだけでいいじゃんみたいな感じになるけど、料理しないとなっていうのがどうしようかなと思って微調整、微調整って感じ!」
完成したのは「マチェドニア」。イタリアンとやせうまそれぞれの魅力を引き立たすデザートとなりました。試行錯誤して完成したおしゃれなデザートの初めての試食。その味は?

(やせうま本舗 田口菓子舗・田口永依子専務)「おいしいです。これは間違いなく喜んでもらえるではないかと思う。コラボをきっかけにやせうまを知ってもらって親しんでもらえたらうれしい」
半世紀以上、大切に守られてきた郷土の味は土産品から気軽に食べてもらえる日常のおやつへと変貌することができるのか。老舗菓子メーカーの新たな挑戦は続きます。