地元では根強い反対・慎重論

環境保護と観光の両立につながるという意見がある一方で、地元では根強い反対・慎重の意見があるのも確かです。

地元、富士吉田市の堀内茂市長は整備による環境への影響の懸念や5合目まで電気バスが運行されていることなどをあげ「山体に負荷をかける登山鉄道の必要性を感じていない」と反対の姿勢を示しています。(22年11月の会見)

また防災の面からは山梨県側の4合目から5合目の間は、たびたび大きな雪崩の被害を受けていることから山小屋の関係者は「雪崩の大きさや一緒に流れる土砂の怖さをよく知っているのか」と疑問を呈しています。

さらに試算で料金が1万円と報道されると「富士山はお金持ちしか訪れることができない山になる」という反対意見も出ました。

このほか、官民の役割分担、噴火への対策など実現に向けては解決しなければならない課題が山積している状況です。

地元への説明と意見交換

山梨県の担当者は鉄道は建設ありきではなく富士山の環境負荷の軽減と観光の両立のための1つの手段だとしています。そして今後、地元の関係者などに構想を説明し、どのようなかたちが良いのか意見交換の場を設けていくということです。