再びステージに立ちたいと思う一方で…『ファンをがっかりさせちゃうんじゃないか』

そんな堀さんを変えたのは、家族の勧めで渋々行ったボイストレーニングでした。手術前から通っていたボイストレーニング。以前は難なくできていたことが、新しい舌が邪魔をして思うようにできません。
(堀ちえみさん)
「落胆して、泣いて泣いて泣いて…。先生が『今、歌を歌える環境にあるということに感謝して、歌を歌いましょう』って。その言葉が…」
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「なってしまった事は嘆いても仕方がない」「やらないと前に進めない」。諦めていた歌に向き合うことを決めました。
(堀ちえみさん)
「いろんな方が歌っている映像をずーっと見て、舌ばっかり見て。鏡を見て、どうやれば声が出て歌えるんだろうって研究して。そうしたら、とにかく口をあーって開けて、舌をへこませられないんだったら舌ごとへこませようと考えて」
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自分なりの声の出し方を模索し続ける日々。これまで何度も歌ってきた自分の歌も歌詞を音読するところからのスタートでした。歌詞の言葉ひとつひとつの発音を見直し、1曲をフルコーラスで歌えるようになるまで1年近くかかりました。
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ただ、歌への思いが強くなる一方で、再びステージに立つことには葛藤があったといいます。
(堀ちえみさん)
「ファンの方の昔のイメージを崩してしまう、がっかりさせちゃうんじゃないかとか、もう出ない方がファンの方のためになるのかなと思っていたんですけど。復帰をみなさんが望んでくださっていたということを知って。歌を歌っている私を、こうなっても望んでくれている方がいらっしゃるということがありがたいと思って。それに私は応えたいと思ったからがんばろうと思いました」














