新型コロナの流行が始まって以降、3年にわたって着用してきた“マスク”の在り方が来月から大きく変わろうとしています。日常生活に卒業式、個人の判断が求められる場面で私たちはどうするべきか医師に聞きました。

現在も、外にいる時には会話がない場合や十分な距離が確保できる場合は外しても良いとされるマスク。政府は3月13日からから原則、外にいるか室内にいるか問わず、「個人の判断に委ねる」とルールを緩和します。

その指針として示されたのがこちら。▼新幹線や高速バスでは外すことを容認▼混雑した電車・バスの中▼医療機関、高齢者施設への訪問では、着用を推奨▼症状がある・家族に感染者がいる場合は着用というものです。

では、これ以外の場面ではそうすればいいのか。青森県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師に聞きました。

※青森県感染症対策コーディネーター 大西基喜医師
「マスクとソーシャルディスタンシングと換気の3つは大事。たとえば会話する場合、ソーシャルディスタンシングよりも中にある状況で会話しなければいけない状況ではマスクは有効」

ポイントとして挙げたのは「会話」「人との距離」「換気」の3つです。

たとえば、スーパーやコンビニでの買い物では今後、マスクを外してもよい傾向になると考えられるといいます。その考え方は、卒業式についても同じです。

青森市にある青森明の星高校は、文部科学省の通知のとおり卒業生は入場退場と登壇する際にはマスクを外してもよいとする方針です。今年度の卒業生は、入学時からコロナ禍に見舞われマスクが制服の一部ともなっていましたが、高校生活最後の行事は笑顔を見せられるようになります。

※青森明の星中学・高等学校 今卓也教頭
「高校3年間いろいろな制約の中でがんばってきた子どもたちですので、そのがんばりを最後晴れの舞台でしっかり見ていただいて卒業を祝っていただければと考えています」

ただ、生徒の判断で着用することも可能としました。大西医師は、感染リスクが高まる場面では、マスク着用に効果があるのは今後も変わらないと指摘します。

※県感染症対策コーディネーター 大西基喜医師
「感染そのものが実はあまり怖くないという感覚とセットになってしまってはまずい。リスクがある場面では絶対に(マスクを)つけることは順守すべきだと思いますし、そのためには常に(マスク)を)持っていることが大事」

ルール緩和まであと1か月。マスクの効果を認識することが着用する、外すといった判断の手がかりとなりそうです。