青森県八戸市の上空に2021年9月、現れた飛行物体。防衛省はこれを「中国の無人偵察気球と強く推定される」と発表しました。当時、この気球を撮影した人は対応の遅れに危機感をあらわにしています。
青森県八戸市のカメラマン・岩村雅裕(いわむら・まさひろ)さん。地元の大須賀海岸(おおすがかいがん)で2021年9月3日、朝日の撮影をしたあとに目撃したのは。
※カメラマン 岩村雅裕さん
「朝日が昇り切ったので、片付けようと思ってこの辺を見たら、なんだろうという感じで、拡大すると何かぶら下がっているのもわかったので、1年くらい前(=2020年)に仙台でもあったのと、似たようなものだという感じ」
気球は南西の空を東へゆっくり動いていました。午前5時10分ごろから雲に隠れるまでの約45分間、飛行機より高い高度を飛んでいたと見られます。
※カメラマン 岩村雅裕さん
「(写真を分析した人から)大きさが40mくらいというのは、1か月後にでてきた。『40mは大きすぎる』と話をしていたけど、やっぱりねという感じ」
こうした気球は、2019年以降に八戸市や宮城県仙台市など全国で確認されています。このうち八戸を含めた3件を防衛省が「中国の無人偵察気球と強く推定される」と発表したのは14日。この対応の遅れに岩村さんは危機感をあらわにしています。
※カメラマン 岩村雅裕さん
「あの時、全然問題にならなかった。ここだっていろいろある。三沢基地もあるし、通信所もある。いま頃になって、ちょっと心配」
政府は外国の気球が領空侵犯した場合は攻撃される可能性が低くても撃墜できるよう、自衛隊の武器使用のルールを見直す方向で調整に入っています。