女性落語家・蝶花楼桃花さんに密着。まだまだ“男社会”の落語界。楽屋は男性も女性も一緒、着替えも同じ場所で行います。しかし、変化も起きています。池袋演芸場には「画期的な更衣室」が設置されました。桃花さんは古典落語のネタ選びでも挑戦し続けていました。
真打ちに昇進した女性落語家・蝶花楼桃花さんに密着

真打ちしか出ることができない正月の寄席に蝶花楼桃花さんの姿がありました。
蝶花楼桃花さん 落語(浅草演芸ホール)
「我々の世界というのは重い身分制度、カースト制度のような重い身分制度がまだまだ根強く残っている珍しい世界でございます。階級制度、下から見習い、前座、二つ目、真打ち、ご臨終。こうした5つの位になっていまして、私もご臨終を残すのみとなったわけですけど・・・」
2022年、真打ちに昇進した桃花さん。楽屋に戻ると・・・
林家三平師匠
「売れっ子は違うな。今度、お寿司ごちそうしてくれるって言ってたんですよ。楽屋に入れてくれるって」
蝶花楼桃花さん
「じゃあ三平師匠がいない日に・・・」
林家三平師匠
「ほら、こういう事言う。昔はこんなこと言わなかったかわいい子だったんですけどね」
三平師匠にいじられながら楽屋を後にした桃花さん。この日は3つの演芸場を回ります。
記者
「次は何時?」
蝶花楼桃花さん
「12時半には上がるので、あと20分ぐらいですね」
落語は出演時間に合わせて小噺やネタを選びます。他の噺家と被らないように高座に上がる直前に決めます。
蝶花楼桃花さん 落語(浅草・東洋館)
「小学校低学年の学校寄席というものに行ってきたんです 。子どもたちに落語を好きになってもらいたい。古典落語をしゃべっていたんですよ、そうしましたら落語をしている最中に一番前に座っている女の子が急に泣き出しちゃったんです。『あーん先生・・・つまんない!』ここは負けちゃいけないぞと思いまして、続きを一生懸命やっておりましたら、その女の子の担任の先生なんでしょうか、わーっと走ってきまして『我慢しなさい。みんなだって我慢しているんだから』と言われまして心がポキッと折れた音が聞こえたようですけど」