2021年9月に青森県八戸市の上空に現れた気球です。防衛省は14日夜、八戸市のこの気球をはじめ、日本の領空で2019年から確認された気球について、「中国の無人偵察気球と強く推定される」と発表しました。

2021年9月3日の早朝、八戸市の上空に現れた丸くて白い飛行物体の写真です。撮影した岩村雅裕さんは、南西の空を東の方にゆっくり動き、50分ほど見えていたと言います。
※撮影した岩村雅裕さん「下の薄い雲に隠れた感じだったので、けっこう高かったのではないか、高度が。」

一方こちらは、3週間後の2021年9月24日の夕方、小笠原諸島の父島で撮影された映像です
※周囲の声「気球?飛行機じゃなさそう」
南の空を西に向かって動いていましたが、5分ほどで雲に隠れ、見えなくなったと言います。同じような白い気球は、今月、アメリカでも確認されました。
中国政府は、「中国からきたもの」と認めています。八戸市のもの見比べると同じように気球に何か機材がつり下げられています。
4日には、撃墜して回収し、アメリカが偵察用と指摘する気球の解析が進められることになります。

こうした中、防衛省は14日、2019年以降、宮城県仙台市や八戸市で確認された気球について、中国の無人偵察気球と強く推定されると発表しました。

東北大学で天文学を研究する服部誠准教授は、宮城県内の複数の目撃情報を分析し、飛んでいた高さは、ジェット機の倍以上となる23キロ程度、気球の直径は33メートル前後と推定しました。

八戸市や小笠原諸島で確認されたものも同じくらいの規模とみています。
※東北大学大学院 理学研究科 服部誠准教授「これだけ大きいものだと、それなりにちゃんとした設備がないと打ち上げられないので、そういう設備を持ったところが組織的に打ち上げていることは間違いないと思います。朝鮮半島かその先の中国かどっちかってことだと思いますけど」


八戸市で気球の写真を撮影した岩村さんは、中国の偵察気球との発表に不安を口にしました。

※撮影した岩村雅裕さん「ちょっとやはり怖い。偵察なのかそれこそウイルスでもまく可能性もあるので怖いとは思っていた」

防衛省は、15日に開かれた自民党の会合で、外国の気球が日本の領空に侵入した場合、武器使用のルールを緩和する方針を示しています。















