14日、心不全のため97歳で亡くなった、トヨタ自動車名誉会長の豊田章一郎(とよだしょういちろう)さん。トヨタを世界企業に押し上げ、18年前の愛・地球博でも尽力しました。CBCテレビに残る映像からその功績を振り返ります。

名刺の裏には「世界の企業たれ」

(1992年6月13日放送『CBCニュースワイド』より)
(CBC 日比英一アナウンサー・当時)
「ちょっと拝見してもいいですか」

31年前、CBCテレビのニュース番組に出演した豊田章一郎さん。

(1992年 トヨタ自動車 豊田章一郎社長・当時)
「これですけどね。裏に英語で書いてあるんですよね」


見せていただいたのは、「Be a company of the world」=「世界の企業たれ」などと、トヨタ自動車の企業理念が書かれた名刺でした。

(1992年 トヨタ自動車 豊田章一郎社長・当時)
「本当の意味で自動車を世界中の人がですね、喜んで使ってもらえるという世の中を作りたいと思っているわけです」

合併翌年にはカローラ生産台数が1000万台突破

(1982年 トヨタ自動車豊田章一郎社長・当時)
「新生トヨタ自動車が三位一体となりまして改めて初心に立ち戻って、事にあたっていかなければ」

トヨタの創業者、豊田喜一郎(とよだきいちろう)氏の長男として、今から41年前の1982年、「トヨタ自動車工業」と「トヨタ自動車販売」が合併して出来た、現在のトヨタ自動車の初代社長に就任した豊田章一郎さん。

翌年(1983年)には、主力の大衆車「カローラ」の生産台数1000万台突破を達成しました。

(1983年 トヨタ自動車豊田章一郎社長・当時)
「世界1位の座を獲得するなど、さらに努力を重ねてまいる覚悟」

会社が誕生した翌年の1983年には、愛知県の田原工場の生産ラインで現在の上皇、上皇后両陛下を案内しました。

1985年にCBCテレビの正月番組、「中部財界人新春サロン」に出演した時には…

(1985年 トヨタ自動車豊田章一郎社長・当時)
「アメリカ経済が良くなるだろうという意見も伺っているので、その点で輸出にもかなり期待できるという事も含めると、昨年よりもさらによくなって行く感じがして、非常に明るい正月を迎えている」

社長として、トヨタの本格的な世界進出に力を入れてきた豊田章一郎さん。今では、長男の章男(あきお)社長がその意思を受け継ぎ、トヨタはことしもフォルクスワーゲンを抜いて、3年連続で世界販売台数トップに輝きました。