近い将来起こる「太陽光パネル廃棄問題」にも取り組む

加山興業がもう一つ力を入れているのが、近い将来全国的な問題となる「太陽光パネル」の処分です。

(加山興業・加山順一郎代表取締役)
「太陽光パネルの寿命は大体20年強といわれていますので、20年経った後のパネルって誰がどうリサイクルするのだろうと。よく2030年問題といわれています」

太陽光発電は日本中で原発が止まり、電力不足が起きた東日本大震災以降関心が高まりました。翌2012年から国の買い取り制度も始まって一気に普及が進み、累計導入量が約6476万キロワットと、この10年で20倍以上に増えています。

初期に設置された太陽光パネルが2030年代に耐用年数を迎えるため、今後大量廃棄が確実に起きます。そのため国は2022年からパネルのリサイクルを義務化する検討も始めています。

加山興業では2022年に太陽光パネルのリサイクルを始めました。最初に機械でパネルを四方からアームで引っ張り、アルミフレームを撤去。これは金属の資源として販売。しかし、パネルのガラス部分を取り外す作業は手作業でした。

そこで、作業の効率を上げる全自動の機械を導入しました。1時間あたりの解体枚数は、手作業の場合はたった8枚でしたが、機械では24枚。ただ、特殊な形のパネルや割れた物も確実に分別するため手作業も併用しています。

(加山興業・経営企画室・田畠真一室長)
「太陽光パネルは畳サイズが主流なのでどんどん自動機で分別していく形。循環型社会を形成するために大事なプロセス」

この機械と手作業の併用で99%のリサイクル率を実現。ここでも確実なリサイクルを突き詰める頑固さが現れています。

(加山興業・加山順一郎代表取締役)
「リサイクル率がアップできるように設備や人材の導入を積極的に進めていきたい。“ゴミ屋の総合デパート”といったらおかしいかもしれないが、それまだ(リサイクル)できないんですよっていうことがないようにしたい」

物価の高騰や資源不足の中、日本にとってリサイクルの徹底はいまや国の将来がかかる重要課題でもあるのです。

CBCテレビ「チャント!」2月8日放送より