政府は、日銀の黒田総裁の後任に経済学者の植田和男氏を起用する人事を固めましたが、市場はどう受け止めたのでしょうか。東京証券取引所から中継です。

植田氏の起用で黒田総裁の異次元の緩和からのゆるやかな修正が始まると受け止められていて、株価は下落しています。

「日銀総裁(候補)が雨宮さんから急遽、植田さんという経済学者にかわりました。性格を聞いてみると思ったほどハト派じゃない」

都内の証券会社では、植田氏の株式市場への影響を問い合わせる電話が相次ぎました。

元日銀審議委員 植田和男氏
「現在の日本銀行の政策は、適切であると考えている。現状では金融緩和の継続が必要である」

先週、植田氏は報道陣に対し、「現状では金融緩和の継続が必要だ」と述べ、黒田総裁の異次元の緩和からの急速な修正は行われないとの観測も広がりました。ただ、「黒田氏とは金融緩和への姿勢が元々違う」との見方も根強く、市場関係者からは「徐々に政策の修正が行われる」との声が聞かれます。

きょうの東京市場では、アメリカの長期金利の上昇の影響もあり、日経平均株価は一時、400円以上下落し、結局、2万7354円で午前の取引を終えました。

植田氏の新体制のもとで日銀がどのようなスピード感で修正を行うか不透明な部分も多く、市場関係者は「国会で行われる総裁候補の所信聴取などを待ちたい」と話しています。