2月18日に開幕する今年のサッカーJ2。昨シーズン、チームを史上最高順位の3位に導いた木山監督が率いるファジアーノ岡山。悲願のJ1昇格を目指して臨んだ宮崎キャンプに密着しました。

来期にかける木山監督の思い…


(木山隆之監督)「われわれの目標はJ2優勝・J1昇格することだと思うので、そこに向かって全力でやっていきたい」

2月の平均気温が岡山より3度ほど高い南国・宮崎。プロ野球やJリーグなど多くのチームがこの地でキャンプを行います。ファジアーノ岡山も1月22日から2週間に渡って宮崎市でキャンプに臨みました。キャンプで、チームが意識していたことは「勝利へのこだわり」です。

(DF・柳育祟キャプテン)「チームのみんなに勝つための意欲というか目的意識を植え付けたい。そういうところを自分が示していければなと思っています。やっぱり、J2優勝というのをチームとして掲げているので」

昨シーズン、クラブは勝点・勝利数ともにレギュラーシーズンの記録を更新しました。しかし、昇格を目指したプレーオフは3―0で敗れ、初戦敗退。勝負所での決定力不足を痛感しました。

(木山隆之監督)「この悔しさをわすれないようにして、もっと強くならなければいけない」

チームに強化!新戦力は9人



今季こそ、悲願のJ1昇格を果たすため、チームは新たな戦力9人を迎えました。木山監督は昨季の成績「61得点・勝点72」に対して、「10得点の上積み・勝点80以上」を掲げて、攻撃のバリエーションを増やしたチーム作りに取り組んでいます。



(FW・坂本一彩選手【J1・ガンバ大阪から加入】)「J2優勝するために必要な選手として力になれるように、2桁得点は必ずとりたい」

昨季、チームの快進撃を支えたオーストラリア代表ミッチェル・デュークがクラブを離れたなか、その穴を埋めるべく期待されるのが新加入の若手FW陣。19歳以下の日本代表にも選出された坂本一彩、そして、千葉から加入した大型FWの櫻川ソロモンです。球際の強さが武器の櫻川は昨季、リーグ戦36試合に出場し、7得点をあげました。

(FW・櫻川ソロモン選手)「自分の目標は15得点。FWなのでもちろん点を取るところは大前提で他にもチームのために守備でハードワークをするとか、前で起点となってポストプレーでチームの流れを引き寄せるところを、意識しながらやっていきたいと思っています」

得点力アップの鍵は左サイドからの攻撃!

得点力アップのために指揮官が課題とするのは左サイドからの攻撃です。

(木山隆之監督)「左で奥深く突いていくのが少し難しかったので、そういう場面が増えれば…。左サイドから右サイドに持っていくプレーがスムーズになると思うので、大きな展開にもつなげられると思います」

左サイドからのチャンスメイクで期待されるのが水戸から加入したMF鈴木喜丈、そして、横浜FCから加入したDF・高木友也です。高木選手は昨シーズン4アシストを記録、精度の高いクロスボールと縦への突破力が持ち味です。

DF・高木友也「自分は左サイドを多く任されるなかで、クロスからの得点であったり、左サイドをうまく連動しながら左サイドを制圧する。数字的な目標としては今年10アシストなので、10アシストだけでなくゴールも狙えていけたら」

キャンプ11日目の今月1日、チームは宮崎市から車で約40分離れた綾町(あやちょう)へ向かいました。仕上りを確認したいファジアーノ岡山。ヴァンフォーレ甲府とのテストマッチに臨みます。

今年の宮崎キャンプ、チームの状況をクラブのトップも見届けます。

(ファジアーノ岡山・北川真也社長)「昨年の悔しさがあります。何かを変えなければ、このチームが昇格できないと思いましたので、私がここに来ることによってチームと一体感を作り、そしてクラブが一つになって昇格を目指していくそんなスタートにしたかったので」

練習試合を通じて新チームがキャンプで目指してきた攻撃の形で手応えをつかむことができました。櫻川は練習試合3試合で4得点と好調を見せたもののまだ修正すべき課題もあると言います。


櫻川ソロモン「シュートシーンだったり、回数は少なかったのでもう少し攻撃のバリエーションだったり、前線での崩しだったり精度をチーム・個人としても考えながらやらないといけない」

木山隆之監督「強く守備をして、ボールを奪って早く攻めていくことは、チームの基本にあることなので、それを去年より強くしていくことが一つと、サイド攻撃など厚みをもって攻撃をしていくということをチャレンジしている。徐々にですけれど回数が増えてきているので、しっかりとトレーニングをしたことが、ゲームに出ている。そこは非常に良いのかなと」


昨シーズンの悔しさを晴らすべく、宮崎キャンプで成長を見せたファジアーノ岡山。J1昇格を目指した戦いは2月18日・アウェーのジュビロ磐田戦で幕を明けます。