発災から1年7か月後の発見です。2021年7月に発生した静岡県熱海市の土石流災害で、行方不明となっていた太田和子さんの骨が見つかっていたことが分かりました。親族は「骨一本だけど、ちゃんと供養してあげられる」と語りました。
<太田和子さんの息子 太田朋晃さん>
「今までいろんな方に捜索していただいて心配していただいてやっと出てきたなという気持ちですね。本当に骨一本ですけど、ちゃんと供養してやれるなと」
太田朋晃さんはこみ上げる思いを口にしました。
2021年7月、熱海市伊豆山を襲った土石流災害では、これまで災害関連死を含め、27人の死亡が確認されていました。しかし、太田和子さんだけ、行方不明のままでした。
<警察による捜索>
「ぜひ、きょう見つけると強い意志をもって懸命な捜索をお願いします」
これまで警察は、陸だけでなく、海中も含めた一斉捜索を続けてきましたが、2023年1月18日、土石流で流れ出した土砂の仮置き場となっている熱海港の土砂ふるい現場で骨片を発見。DNA鑑定の結果、太田和子さんの前腕部の骨と確認されたということです。
<太田和子さんの息子 太田朋晃さん>
「普段、日常生活してる中ではあまり考えなかったというか、遠ざけてたのかもしれないです」
息子の朋晃さんはこれまで、母の手がかりをつかもうと所持品を探すこともありました。発災1年のときには「いまだに、気持ちの整理ができていません」と苦しい胸の内をつづっていました。そして、発災から、およそ1年7か月後の2月9日、DNA鑑定の結果が届きました。
<太田和子さんの息子 太田朋晃さん>
「ご心配おかけしましたけれども、これで何とか一区切りつけて、供養できるので長い間ありがとうございました」
太田和子さんの発見を待っていたのは、親族だけではありません。
<太田滋さん>
「その辺りかな」
太田滋さんは、自宅が近所で、太田和子さんが理髪店を営んでいたことから、幼いころにはよく散髪してもらっていたといいます。
<太田滋さん>
「見つかったと聞いて、結果は分かっていたような気がしましたけど、がっかりですけど、ご家族の元に戻れるということで、それはよかったかなって」
太田さんたちは月命日に、和子さんの無事を願って、手をあわせ続けていました。
<太田かおりさん>
「こんな形になってしまって、悲しいけれども、帰ってきてくれたねっていうところはちょっとホッとされるのかな」
親族などによりますと、今後、医療機関から診断書が出され、太田和子さんの死亡が認定される見通しです。
注目の記事
愛媛県民は「を」を「WO」と発音? 47都道府県調査で見えた驚きの「常識」

「米はあるのに、なぜ高い?」業者の倉庫に眠る新米 品薄への恐怖が招いた“集荷競争”が「高止まり続く要因に」

大阪王将 ドーナツ業界に進出「ぎょーナツ」餃子味、麻婆豆腐味って? 異業種が参入するワケ【Nスタ解説】

1枚500円なのに交換は440円分…農水大臣が「おこめ券」にこだわる理由、百貨店商品券との違い【Nスタ解説】

「武蔵が沈んだ…」部下を思い、涙した初代砲術長・永橋爲茂 戦後なぜ、家族を残し一人島で暮らしたのか #きおくをつなごう #戦争の記憶

「BYD」「テスラ」米中2大EVメーカーが北海道進出《なぜ?》「北海道はブルーオーシャン」寒冷地でEVは普及するのか「ノルウェーでは93%のEV浸透」









