料理が得意だという菅原さんは、2016年12月、自宅にパン店を開業し、充実した日々を過ごしていました。
 しかし去年6月、大腸がんが見つかったのです。
 医師の診断は「ステージ4」。闘病のため、店も閉めざるを得ませんでした。

(菅原初代さん)
「このまま私が死んでしまったらこれ(作品)ただのゴミになってしまう。絵をずっと好きでいてくれる人に渡したいなと」

 ともに豊かな時間を過ごしてきた宝物を託したい―。菅原さんはコレクションの行方をずっと気にかけていたのです。

 初日の6日は多くの人が訪れ、菅原さんの感性に触れました。会場に並ぶ作品を手掛けた作家の一人、柴田有理さんです。

(柴田有理さん)
「私の絵って売れないんですけど、それが買ってもらえたっていうのですごい誇らしいかったですね」

 柴田さんは「感謝の気持ちを」と、はじめて似顔絵をプレゼントしました。

(柴田有理さん)
「(菅原さんを)描きたくてしょうがなかった」

柴田有理さん

(菅原初代さん)
「上手だなって。いや、やっぱり画家なんだなって。色合いも特徴もすごい捉えてくれて、描くのにすごく集中してくださったんだなって」


 
 自らの宝物が良い出会いにつながることを願って―。菅原初代さんのコレクション展は2月17日まで盛岡市材木町の彩画堂で開かれています。