佐藤「給料も仕事もくださいという交渉を、何軒も断られながらやって‥。給料6万円で家賃が4万5千円、月1万5千円で暮らす、そういうようなイメージが最初のお店でしたね。でも友達もいないし電話をかけるお金もないし、よく仕事帰り泣きながら帰ったりしてました。逃げる場所もないのでね」

さらなるレベルアップを目指しガイドブックに掲載されている全ての星付き有名店に手紙を送り、みごとに入店。高級店で経験を積めば積むほど、イタリア料理の奥深さを知った。その後日本へ帰国。仕事を探している中で出会ったのが、レストランビジネスを手がけている企業の社長だった。

■一期一会 女性経営者から学んだ経営学

佐藤「その社長が言ったのが『カジュアルでも本物を、高級店でも本物を出したい』と。美味しいだけじゃなくて、その国の文化をきちんと(大切に)できるようなレストランを展開していきたいという話を聞いて、ああ、私もそれをやりたいですって、すごく感銘を受けたんですね」