山口県下関市で実の兄を殺害し、兄の妻も殺害しようとしたとされる男。初公判で、事件の背景には遺産をめぐる親族間のトラブルがあったことが明らかになりました。
殺人などの罪に問われているのは、下関市の無職の男(69)です。起訴状によりますと男は2021年8月11日、自宅近くの空き地で兄(当時70)の左胸などを包丁で何度も突き刺して殺害。兄の妻(当時72)を殺そうと左胸を包丁で刺して全治約34日間のけがをさせるなどしたとされます。
山口地裁で6日に開かれた初公判。
冒頭陳述で検察側は「死亡した母親の通帳や位はいの管理をめぐって、不信感を募らせ犯行に及んだ」と、殺害に至るいきさつを明らかにしました。
これによると男は2020年11月ごろ、母が入院したことで空き家となった実家で生活を始めました。兄からの提案で住み始めたものの、兄から実家を片づけるように言われるなどして、次第に兄を疎ましく思ってきました。12月に母が亡くなり、男は母の預金通帳を兄が管理していることを知ると「現金は自分に遺産分割されないのではないか」と考え、不信感を抱くようになりました。加えて、兄や兄の妻が、母の位はいなどを実家に置いていったことも不満に感じていました。
2021年5月、男は弁護士に依頼して、遺産分割調停を申し立てます。このころから男は、弁護士に対して兄の殺害をほのめかすような発言をしていたそうです。














