“よこたっきゅう”と言われる腕振りに変わった経緯は?

――ご自身のフォームを自分ではどうとらえている?
横田:

僕の持ち味で皆さんも覚えてくれているので、本当にうれしいことだと思います。今度はマラソン界で“よこたっきゅう”を流行らせたい気持ちです。

――どうして右だけ曲がっているのでしょう?
横田:

なんでなんですかね。僕も知りたいです。僕も知りたい、と書いてください(笑)。

――いつ頃からあのフォームに?
横田:

本当は横振りで踵接地だったんです。それをつま先接地に変えたら、高校1年生のときでしたが、縦振りに変わって、あんな感じになっていました。

――それは高校の松田和宏監督からフォームを変えようと言われたのですか。
横田:

いや。ぜんぜん、ぜんせん。自分のフォームで伸ばしてくれたので、松田監督には感謝したいです。

――左右差のバランスからああいう形に?
横田:

本来だったらもっと左右差がない状態で走れたら効率良いと思うんですけど、僕はこれしかできないです。これを研いていこうかな、と思います。

マラソンが輝ける場所と思った理由は?

――マラソンで輝けると思ったのはどういう経緯で。
横田:

去年の別大を走っているときから、僕が力を出せるのはこの舞台だなって思ったので。そこからですね、ホントに目指したのは。

――駅伝で輝く選手も多い。
横田:

近藤幸太郎(青学大4年)とか岸本大紀(同)たちは駅伝で輝いています。新潟だったら岸本だったり、今回、山の妖精と言われている城西の子だったり。ちょっと悔しいのですが今日、僕もこうしてガツンとやったので、新潟にはオレもいるぞ、っていうのは示せたかなと思います。

――去年の別大が人生で一番キツかったレースだと言っていました。そこで輝けると思うのは矛盾している気もしますが?
横田:

確かにそうですよね。でも走っているときは、感覚がいいなあと思いました。自分がトラックだと勝負できないけど、こういうところなら勝負できる。けどやっぱり、過去最高にキツかったのですが。

――中盤でリズム良く、輝けると思ったけど、終盤で過去一番キツかった?
横田:

差が、トラックだったら他の選手に付けられてしまうんですが、マラソンだったらもっと縮められる。今日もそんな感じだと思うんです。トラックではかなわない相手と、こうやって走ることができたので。

――MGCを取ったばかりですが、次の目標は?
横田:

今はちょっと考えられないので、とりあえず1カ月休ませてもらって、リフレッシュした状態で実業団の監督さんやコーチと考えたいと思います。一度、リフレッシュします。

(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)