2023年4月、動物医療の現場に新しい国家資格が誕生します。
それが『愛玩動物看護師』。具体的に何が変わるのでしょうか?また、病院や飼い主のメリットは?獣医師に聞きます。

新・国家資格誕生で何が変わる?

現在の獣医療の現場では業務は以下のようになっています。

≪獣医師の業務≫
▼手術・X線検査
▼診療に基づく診断
▼採血・投薬
▼マイクロチップの挿入
▼カテーテルによる採尿
 など

≪動物看護師の業務≫
▼入院動物の世話
▼体温測定
▼グルーミング
▼爪切り・歯磨き など

動物看護師が「愛玩動物看護師」の国家資格をとると、今までは獣医師しか出来なかった、
▼採血・投薬
▼マイクロチップの挿入
▼カテーテルによる採尿

などができるようになります。動物看護の質の向上、獣医師の負担軽減を目的としています。

負担が増す獣医師業務

ペットを診察する獣医師の数を見ると、2020年は1万6000人。
10年前と比べ1.2倍と増えてはいますが、全国の動物病院1万2000か所のうち約63%は、獣医師が1人で診療をおこなっているという現状があります。

また、近年動物の健康は非常に大切にされています。
茨木元町どうぶつ病院の阿部麗獣医師によると、「年々ペットの健康に注意を払う飼い主が増えていて、通常の診察・治療に加えて健康診断も増えている」。

犬の平均寿命・・・14.65歳(2010年比0.78歳プラス)
猫の平均寿命・・・15.66歳(2010年比1.3歳プラス)
※一般社団法人ペットフード協会調べ

犬猫ともに平均寿命が延びており、とても良いことですが、「結果的に獣医師の業務がとても多くなってきている」ということなんです。

実際に、こんな調査があります。

≪獣医師の働き方に関する意識調査(TYL調べ)≫

Q.今の働き方に満足していますか?
「いいえ」・・・51.4%

Q.労働時間についてどう感じますか?※複数回答可
不満1位「長時間労働だと感じる」31.2%
不満2位「残業が多いと感じる」22.9%

Q.休暇についてどう感じますか?※複数回答可
「有給休暇が取りづらい」33%
「産休・育休が取りづらい」13.8%

「忌引き休暇すら取れない」という声もあるなど、獣医師は非常に大変な現場で働いていることが浮き彫りになりました。

弁護士 八代英輝(猫を飼っている):
例えばマイクロチップの挿入だったり、保護猫なのでちょっと腎臓が弱かったりするので、動物病院にはいろいろお世話になっています。
最近は夜でも診ていただけるところもあり、やはり獣医さんは大変だと思います。

落語家 立川志らく(猫を飼っている):
私が行ってるところは、先生1人でやってるんですよ。だからものすごく忙しい。
診察から注射から何から、お会計もやって、さらにはキャットフードの販売までやってる。あまりにも忙しいっていうのが分かったのは、私が入っていっても誰だかわかんない。
別に私は志らくだって知ってもらいたいとかは何もないけど、忙しすぎてテレビなんか見てないんだろうね。

恵俊彰:
まさに猫の手も借りたいぐらい忙しいということなんでしょうね。

コメンテーター 松尾依里佳:
知り合いが昔、動物看護師をやられてたんですけど、何が大変って、人間みたいに話ができないから症状を聞くことができない。内科・外科と診療科が分かれていないから、耳から目から全身と、全部のことをやらないといけない。本当にいろいろな業務が大変で、高度な医療ができるようになるというのは素晴らしいと思います。