先月、栃木県の東武日光線で作業員4人が列車と接触し死亡した事故に関する中間報告書が国に提出されました。現場責任者ではない人が指示を出し、作業員は「意見すると怒られる」と思って黙認していたといいます。

東武鉄道 運輸部 亀山昇司 部長
「この度、お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆さまに心よりお悔やみ申し上げます」

きょう、東武鉄道は作業員4人が死亡した事故に関する中間報告書を国交省に提出しました。

事故が起きたのは、先月20日。栃木県鹿沼市の東武日光線・新鹿沼駅の線路上で、除草作業中の男性4人が特急列車「スペーシアX」と接触し死亡しました。

乗客
「駅入ってすぐにもう急ブレーキで、急停車したので、そこから動かない状態」

当時、東武鉄道子会社の「東武建設」の社員が務める「作業指揮者」のもとで、亡くなった4人が線路上で作業を行い、近くに「列車見張り員」1人、さらに315メートル手前の踏切に「中継見張り員」1人を配置して、安全を確保していました。

しかし、きょうの会見で、当時の“ずさんな安全管理”の実態が明らかになりました。

報告書によりますと、「作業指揮者」を務めた東武建設の社員は線路上を移動しながら作業を行った経験がなく、見張り員が見張る位置すら指示していなかったといいます。

さらに、「指揮者」としての任務を現場にいた東武建設の上司に委ねて、自らは施工記録のための写真を撮影していたということです。

実質的な指揮を担った上司は、事故発生のおよそ5分前に作業員に線路へ入るよう指示。列車が来るまでの時間が短く、一部の作業員は疑問に感じましたが、「意見を述べると怒られる」「余計なことを言うと揉め事になる」などと思って指示に従い、その後、上司ら4人が死亡しました。

東武鉄道 施設部 佐藤晃一 部長
「現場で安全に関する意見や疑問を相互に確認・共有できる環境が整えられていなかった。(子会社の)東武建設に対しては、作業指揮者、見張り員、作業員、それぞれの役割等について教育を実施し、現在も教育中です」

事故をめぐっては、警察が業務上過失致死の疑いで捜査しているほか、国の運輸安全委員会も原因を調査しています。